お知らせ

2016年3月

2015年度 かんな会賞 授与式


 

2015年度(平成27年度) 卒業設計、卒業論文発表会が2月13日、15日に行われました。
意匠、環境、構造各コースから選ばれた優秀者3名が2015年度 かんな会賞を受賞し、
3月22日に行われる卒業式・学位授与式で賞状と記念品が贈呈される予定です。


 
平成27年度 建築学科卒業研究 卒業設計優秀作品講評会に出席して
 
昭和50年卒業 7期生 井上 祐一
 
 去る2月13日および15日に開催された発表会・講評会にかんな会の一員としてはじめて出席しました。私達が1974年から75年にかけて卒業設計をしていた41年前を思い起こしてみると、学生運動の終焉を迎える頃であったとはいうものの大学周辺には機動隊員が幾人も立っているといった光景が浮かんできます。卒業設計の提出日もロックアウト状態であったため、塀を乗り越えて研究室に20枚もの図面を持ち込んだ記憶がよみがえります。そんなわけで、私達の年度は、発表会・講評会は無かったと記憶しています。
 
 このたび私が出席した建築デザインコース論文発表会の発表者は19名でした。歴史的建造物に関する研究、まちづくりに関するもの、伝統建築の技術、景観論、近代住宅に関する様々な論文が、次々と発表されました。多少未熟ではあるものの、発表者それぞれが自身の研究テーマに真摯に取り組んだ結果として今後につながる成果を得たことと思います。私にとっては興味深い研究テーマがいくつかあり、とてもおもしろかったです。
 次に開催された卒業設計優秀作品講評会は、文字通り多数の学生の中から選抜された15名が発表しました。圧巻は、各発表者の迫力ある図面と模型でした。模型制作は、後輩が協力していますが、多くの1年生も手伝ったようです。そして、発表者の出身地の歴史や伝統を踏まえた計画や歴史的建造物の再利用、町の活性化など現在と将来をつなぐテーマが多数見られたのが印象的であったとともに、地道で健全な建築への志向性に神奈川大学工学部建築学科のこれまでと今後の方向性を垣間見たようにも思えました。また、学生の頃の私とは違い全ての学生が物怖じせずに堂々と発表し、質疑に応答する様子に、卒業後への期待を抱きました。
 長丁場ではあったものの、後輩達の新鮮でのびのびした数々の作品の発表を見聞きして脳が深呼吸をしたような気がします。
 
 後輩達の成長段階の様子を示した論文並びに作品に接し、研究・創作に携わる一人として元気をもらった気がします。
 今と未来をつなぐ卒業年度生の発表会・講評会に、かんな会の多くの卒業生の皆さんもぜひ参加していただきたいと思った二日間でした。
 
 指導教官の先生方には、お疲れさまでしたと申しあげて報告を終了いたします。